ファンタスティック!漢詩ワールド「李白 第十四回 李白名作選(1)宮中の女性たち」
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Narrateur(s):
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宇野 直人
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Auteur(s):
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宇野 直人
À propos de cet audio
<内容紹介>
漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。
時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です。
漢詩は和歌や俳句とともに、永く日本人に親しまれて来た文学形式ですが、漢字ばかりで作られるため、気おくれしてしまう人もおられるようです。
が、そのいかめしい外見から一歩中に入ってみると、まことに多彩で魅力ある世界が現れて来ます。
それは或る種の果物に似ています。西瓜(スイカ)の、あの固い緑色の外皮の中には赤くジューシーな果肉が、また荔枝(ライチ)の、あの固いトゲだらけの、茶色の外皮の中には、丸くて白く、甘い果肉が包まれています。
このシリーズは、漢詩のそのような果実をなるべくわかりやすくお伝えするもので、名作の数々を、時代背景や作者の境遇と合わせてお話ししてゆきます。
漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地は、まさしくファンタステイック!と言えるでしょう。
〈第十四回 大乱の中で〉
今回からは視点を変え、李白の特色をよく示すテーマを選んで、そのテーマごとに名作を見てゆきます。
まずは「閨怨詩」(君主の訪れを待つ女官の心境を読む詩)に属する五言絶句を二首。
「玉階怨」は、月の光とそれに照らされる玉階、露、水晶のまばゆいきらめきの中に女官の悲しみを浮かび上がらせます。一方「怨情」では女官の姿のみをクローズアップし、その胸中のすさまじい怨念を印象づけます。
また七言絶句「陌上 美人に贈る」は、行きずりの美女から親しげに話しかけられる愉快な作品。五言古詩「秦女休行」は、白昼、親族の仇を刺殺する勇敢なお妃の姿を、共感をもって描き出しています。
<収録作品>
玉階怨
陌上贈美人
秦女休行
<講師:宇野直人(うの・なおと)>
昭和二十九年、東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。現在、共立女子大学国際学部教授。著書に『中国古典詩歌の手法と言語』(研文出版)『漢詩の歴史』(東方出版)『漢詩の事典』(共著、大修館書店)など。平成十九年、NHKラジオ「古典講読――漢詩」講師、平成二十年より同「漢詩をよむ」講師。