• 2025年アジア見通し

  • Jan 21 2025
  • Durée: 6 min
  • Podcast

  • Résumé

  • アジア担当チーフエコノミストのチェタン・アハヤ 2025年は関税、ドル高、内需の強さがアジアの経済成長を左右することを弊社アジア担当チーフエコノミストのチェタン・アハヤが解説します。 このエピソードを英語で聴く。 トランスクリプト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。アジア担当チーフエコノミストのチェタン・アハヤ. 今回はアジア担当チーフエコノミストのチェタン・アハヤが2025年のアジア経済を方向づける3大テーマについて解説します。 このエピソードは1月21日 に香港にて収録されたものです。 英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。 まず全体像から始めると、弊社では2025年のアジアの成長率が昨年の4.5%から4.1%に減速すると見ています。ただ、アジア全体がいくつもの課題と機会に直面し、その影響でこの予想は大幅にぶれる可能性があります。弊社は特に3つの要素に着目しています。ひとつは関税です。今年は関税が弊社最大の関心事です。関税の導入ペース、規模、対象地域によってどの程度成長の足枷となるかが決まるでしょう。弊社の基本ケースでは、アジアでは25年上期から段階的に中国に対する関税が導入されると想定しています。弊社の米国公共政策責任者のマイケル・ゼザス が述べているように、関税は早期に発表されるものの、導入には時間がかかるでしょう。 なお、関税と貿易を巡る緊張は過去にもあったことから、企業心理は2018-2019年ほどには悪化しないと思われます。ただし、貿易緊張がエスカレートすれば大きなリスクとなります。例えば、米中間以外にも二国間の貿易紛争に発展したり、米国がすべての輸入品に関税を課すといった事態が考えられます。対米の貿易黒字が大きい上位10カ国のうち7カ国はアジア諸国であることから、アジアは最も大きな影響を受けるでしょう。このようなリスク・シナリオのいずれかが現実となった場合、2018-2019年のような成長ショックに再び見舞われる恐れがあります。 次に、FRBとドルについて考えてみましょう。FRBはタカ派姿勢に転じ、弊社の予想では2025年の利下げは2回にとどまる見通しで、アジア諸国の中央銀行は苦しい立場にあります。FRBはインフレを懸念して慎重な姿勢をとっており、貿易政策と財政政策の変更によりインフレは悪化する可能性があります。このためドルは高くなっており、逆にアジア通貨は下落しています。したがって、アジアの中央銀行はインフレ率が適切なレンジであるにもかかわらず、積極的な利下げが制約されます。 3つ目に、良好な外部環境は期待できそうにないことから、アジア主要国の内需がアジアの成長見通しの頼みの綱となるでしょう。弊社はインドと日本の見通しは良好だと考えますが、中国については慎重に見ています。 中国は行き過ぎた投資と過剰生産能力が原因でデフレに直面しています。この解決策として、当局は5%の成長目標を達成する手段として消費の比重を高める必要があります。すでにいくつかの対策が講じられ、今後も新たな対策が出てくると思われますが、中国が消費の伸び率を大幅に引き上げるためにはこれらの対策で十分なのか、弊社は疑問視しています。弊社の見るところ、現在も投資が重要な成長ドライバーであり、関税が導入されれば現在のデフレ圧力がさらに増すものと思われます。インドと日本は内需に追い風が吹き、外部からの逆風が打ち消されると考えています。インドは政府の資本的支出、金融緩和、サービス輸出の加速に支えられ、力強い回復が見込まれます。このためGDP成長率は6.5%の軌道を回復する見通しです。日本では実質賃金と消費の伸びが再び加速して、日銀がインフレ見通しに自信を深める結果、2025年に2度の利上げを実施すると弊社は見ています。今週はトランプ政権の幕開けです。私も同僚もこれを注視しており、新政策がアジアに及ぼす影響について今後も最新情報をお届けする所存です。最後までお聴...
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