• トランプ2.0と関税に関する最新見解

  • Feb 5 2025
  • Length: 5 mins
  • Podcast

トランプ2.0と関税に関する最新見解

  • Summary

  • 北米貿易政策の転換が経済におよぼし得る影響について、債券・公共政策戦略担当グローバル責任者のマイケル・ゼザスがお話しします。

    このエピソードを英語で聴く。


    トランスクリプト


    「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。

    本日の話し手は、モルガン・スタンレーの債券・公共政策担当グローバル責任者マイケル・ゼザスです。米国の関税政策と北米貿易政策の転換が経済におよぼし得る影響についてその最新見解をお話しします。

    このエピソードは2月5日 にニューヨークにて収録されたものです。

    英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。

    25%関税が発動される間際の3日月曜、一連の電話会談の結果、トランプ大統領はメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領とカナダのジャスティン・トルドー大統領それぞれと発動延期の合意に達しました。両国の大統領が米国への不法移民と合成麻薬の流入防止対策を強化する意向を示したとし、先に発表したメキシコとカナダ製品に対する25%関税の発動を1ヵ月延期するとトランプ大統領が発表したのです。一方、中国製品に対する10%の追加関税については4日朝から予定通り発動されました。これに対し、中国政府は即座に報復関税措置を発表しましたが、これは10日月曜まで発動されないとの見方から、交渉の余地はまだ残されています。

    こうした進展は、私たちにとってサプライズではありませんでした。メキシコとカナダが国境対策強化で米国に譲歩することで25%関税を回避するといったシナリオを私たちは想定していましたし、実際、その通りになったからです。また、中国製品に対する関税政策が、メキシコおよびカナダ製品に対する関税政策とは関係なく策定されるとも予想していました。本来的な目標が中国との貿易関係を一変させることであるならば、米国はメキシコおよびカナダとの貿易関係を維持したいと考える筈だからです。

    以上からすると、私たちが基本ケースとして想定する「迅速に発表し、緩やかに実施する」米国の政策アプローチに変わりはないように見えます。いずれにしろ、中国製品および欧州の一部製品に対する関税は年末までに引き上げられ、これが2026年の米国経済成長率を押し下げると私たちは予想しています。

    メキシコとカナダ製品に対する25%関税が回避、もしくは発動がさらに延期されても、私たちの米国経済見通しに大筋で変化はありません。その場合、(3:11)関税リスクの減衰でドル相場は軟化し、米国株では一般消費財株とより幅広いシクリカル株が市場をリードする可能性があります。

    しかし、私たちが先行きを見誤り、1ヵ月の延期措置終了後にメキシコとカナダ製品に対する25%関税が発動された場合、米国のインフレ率は幾らか上昇し、経済成長率は減速するでしょう。そしてこうした中、ドルおよび米国債が株式をアウトパフォームする局面が、少なくとも米国が世界貿易関係を構築し直すまでの間は続くと考えます。

    これから数ヵ月にわたり、日々のニュースの見出しは米国の関税政策絡みのものばかりとなるでしょう。私たちの方でもこの話題を追い続け、私たちの最新見解を皆様に引き続きお届けする所存です。

    最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。

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