• 市場の楽観姿勢はピークをつけたのか?

  • Jan 24 2025
  • Length: 6 mins
  • Podcast

市場の楽観姿勢はピークをつけたのか?

  • Summary

  • 弊社コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツは、投資家の期待は高まったままですが、企業信頼感はそうではないと主張しています。 このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツ.本日のエピソードはコーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが、市場のオプティミズムとその指標、市場は過度に楽観的になっているのか、そして今後はどうなるのかについてお話します。 このエピソードは1月24日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。 クレジット投資を含む投資の基本的な考え方は、過度に楽観的になっていないか注意することです。本質的に、市場のサイクルでは、人々がこの先は良いことしか起こらないと最も強く確信している時に最高値をつけます。最安値、すなわち投資家が買う意欲を失なった状態は、投資家が全ての希望を捨てた時に起こります。しかし、リアルタイムで楽観のピークを特定することは困難です。というのは、一般的に合意が成立した定義がないためです。しかも、時には、物事が単に順調な場合もあるのです。これまでの10年以上、投資家は米国のテクノロジー業界に夢中になっていました。その間、テクノロジー業界は、並外れた利益成長をなんとか実現して来ました。そしてそのリターンも桁外れなものでした。それでも、この論点は妥当であると感じます。過去2年間に米国株式市場は50%を超える上昇を遂げています。株式のバリュエーションは、株式と債券のいずれとの比較でも過去に比べて高い水準にあります。クレジットのリスク・プレミアムは、過去20年間の最低に近い水準です。投機的な投資家の動きが増えています。ということは、ついに楽観はピークをつけ、これ以上は上昇しないところまで来たのでしょうか?かれ悪しかれ弊社の答えは「ノー」です。投資家の楽観度は高水準にあると考えますが、企業の楽観姿勢はそうではありません。この議論では企業は、極めて重要です。企業は、米国や他の企業に投資するための豊富な資金源を享受しています。企業信頼感は上向くと弊社は考えていますが、それには時間がかかります。 企業の信頼感について弊社がもっとも選好する指標は、M&A活動です。他の企業を買うことは経営陣ができる最もリスクが大きい行為の1つであり、基調にある企業信頼感の優れた代替指標となります。この種の活動の件数は去年 昨年おおよそ 約25%増加しましたが、まだ過去平均を優に下回っています。また、大規模な市場サイクルが、こうした活動がトレンドを超える前に終了するとしたら、極めて異例のことになります。 もう1つの指標は、新規借入れに伴うリスクの度合いです。新たな債務を負うことも、企業信頼感の指標となります。一般的に新たな借入れは、将来や負債の返済能力に対して肯定的な気持ちを抱いている時に行われるからです。しかし、実際は過去3年間、米国市場の低格付け債の発行額が減少する一方、最もリスクが大きいグレードの企業の起債額も、2017年から2022年までの平均を大幅に下回っています。やはり、このような状況も企業が過度に楽観的であると考えられるトレンドではありません。 米国の新政権の関税や政策を巡る不透明感が、依然として企業信頼感を押しとどめる可能性があります。企業信頼感は出発点が低水準だった上、弊社が予想する規制緩和の追風が加わって、企業活動と企業の積極性には上昇の余地があると考えます。そして、これが2025年一杯続くと弊社は見ています。そうした上昇は通常は、いずれリスクの上昇につながります。しかし現時点では、企業の積極性の強まりによるネガティブな結果に合わせた体勢をとるのはまだ早いと考えています。 最後までお聴...
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