• 関税とテクノロジーが株価の逆風に

  • Feb 3 2025
  • Length: 6 mins
  • Podcast

関税とテクノロジーが株価の逆風に

  • Summary

  • 弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、2025年上期を通じて持続すると見込まれる要因によって米国株が痛手を受けた理由をご説明します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回は最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、関税と最近のAIを巡る展開および、それらが株式にとって何を意味するかについてお話します。このエピソードは2月3日 にニューヨークにて収録されたものです。 英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。2024年は多くの銘柄にとって堅調な1年でしたが、総じて好調だったのは下期でした。リセッションに対する懸念が昨年夏にピークを迎え、インフレの高止まりを背景にFRBが政策金利を据え置いたため、基本的に年初から8月上旬までの株式市場は横這いで推移していました。しかし、その後すべてが変わりました。FRBは市場の意表を突く50ベーシスポイントの利下げに踏み切り、リセッション回避に対する取り組み姿勢を示しました。これに続いて労働指標が改善し、FRBは25ベーシスポイントの利下げを2度行ないました。投資家はこれをポートフォリオの株式ポジション拡大のゴーサインと受け止めました。リスクが大きいほど良いと考えたのです。また、市場や多くの向きにとって、トランプ氏が大統領選挙で勝利する見込みで、議会における共和党圧勝の確率も高まっていることが明白になりました。トランプ候補が提示した経済成長を促進する政策と、大統領1期目における実績を踏まえ、投資家は一段と強気になりました。いずれの政党も絶対多数を獲得しない結果への懸念を踏まえると、このように投票日の夜に選挙結果が確定したことが、投資家の強気姿勢に拍車をかけました。アセットマネージャーと個人投資家の両方がパフォーマンスを追求し、出遅れたり、取り逃がしたりすることを恐れて、迅速にヘッジを解除し、ロングポジションに反転させることすらありました。10月に筆者はS&P 500は、明確な選挙結果になれば、6,100ポイントまで上昇する公算が大きいと示唆しました。株価は早くも12月上旬にこの水準に達した後、市場の広がりが悪化する中、極めて低調な水準で年を越しました。S&P 500の年初の出足は軟調で、大統領就任式に向けて大幅に上昇し、再び6,100ポイント台を試しました。前回との違いは、市場の広がりがはるかに小さく、クオリティの高い銘柄が市場をリードし始めていたことです。関税は常に議題に上っており、移民法の執行も同様でした。いずれも短期的に経済成長に悪影響を与えます。筆者が見たところ、投資家はこうしたリスクに対して油断しており、今になってリアルタイムで対応しています。これは、今年の前半は株式にとってより厳しい公算が大きいと見る弊社見解にも適合します。すなわち、株式に悪影響を及ぼす政策が直ちに実施され、規制緩和、減税の延長および政府支出の削減といった株式に好影響を与える政策の効果が、クラウドアウトの減少や、金利低下といった形で現れるには時間がかかだろうという見解です。株価指数については、向こう3ヵ月から6ヵ月のS&P 500は、5,500から6,100ポイントのレンジで取引されると予想しています。第4四半期の弊社の目標株価は6,500ポイントで変わりありません。関税が課されると予想していたため、実現しても、弊社の消費財に対する消費者サービスの選好が強まっただけです。関税の施行は、金融や、その他為替影響や貿易に対するエクスポージャーが少ない国内中心の銘柄に対する弊社の選好もサポートしています。政治的不透明感の高まりに加えて、先週はDeepSeekによる最新のAIチャットボットの提供も開始されました。これにより、投資家にとっては、銘柄と株価指数の両方に持続的な影響を与え得る新たなレベルの不確定要因が加わりました。AI技術の採用によって本当に...
    Show more Show less

What listeners say about 関税とテクノロジーが株価の逆風に

Average Customer Ratings

Reviews - Please select the tabs below to change the source of reviews.